伊勢神宮参拝のポイント

DSC02717伊勢神宮に行って感じたことの一つは「どこをどう参拝すればよいか」という参拝のポイントの表示などがないということです。
もちろん特に決まりがないからなのですが、初めて伊勢神宮に参拝する方や行ってみてよくわからないまま帰ってきた方で、もう一度伊勢神宮に参拝したいと思っている方のために、参拝の際に抑えておきたいポイントを紹介します。

■御正宮では感謝するのみ、お願いは別宮でしましょう。
伊勢神宮の内宮・外宮ともに御正宮は個人的なお願いをする場所ではありません。
内宮・外宮ともに御正宮では感謝するのみ。

個人的なお願いは、外宮では多賀宮、内宮では荒祭宮でお願いしましょう。
『荒祭宮』は、天照大神の魂が活動的になった状態の荒魂を祀っているお宮で、外宮では『多賀宮』(たかのみや)が豊受大神宮の荒魂をお祀りするお宮ですので、個人的なお願いはこちらでするとよいそうです。

不思議なもので知らずに参拝しても御正宮では個人的なお願いをする気にはならない方も多いようですね。

■参拝の順序
こうしなければならないという順番ではありませんが、参拝には古くからの習わしの順番があります。
内宮を参拝する前に外宮を参拝する。
参拝の順番は『外宮』→『内宮』
「外宮先祭」といって外宮を先に参拝するのが習わし、これは天照大御神の命によるものと伝えられているそうです。
多くの方は天照大神を祀っている『内宮』と天照大神の食事を司る豊受大神を祀っている『外宮』の2社を参拝していますが、最近の伊勢神宮参拝ツアーなどでは天照大神を祀っている『内宮』のみを参拝することも多いそうで、これは「片参宮」と言って昔は避けられたもののようですね。

外宮と内宮は約5キロほど離れていて車やバスで移動すると10分~15分程度かかります。

●外宮の別宮の参拝順序
外宮の中でも宮域に3つの別宮があり、参拝する場合は御正宮の後に参拝しますが、別宮にも序列がありそれに従って参拝する場合は多賀宮、土宮、風宮の順番に参拝して行くことになります。
案内などの表示はありませんが下御井神社もすぐ近くにありますので参拝する場合は風宮の後に参拝となります。

●内宮では御正宮の後に荒祭宮の参拝をして帰る方が多いようですが、風日祈宮と瀧祭神の参拝もしていきたいところです。
御正宮⇒荒祭宮⇒風日祈宮⇒瀧祭神⇒神楽殿(お札の授与)という順番

特に瀧祭神は非常に目立たなく通り過ぎてしまう方が殆どですが、昔は地元の人は御正宮に向かう前に参拝に来たことを取り次いでもらうために最初に参拝していたという話です。
瀧祭神にお取次ぎをお願いする場合には五十鈴川御手洗場から参道に戻る途中で右に入る小道を進みましょう。
通常通り、御正宮、荒祭宮、風日祈宮の参拝後に向かう場合には風日祈宮橋のすぐ近くにある小道を川下に向けて進むとたどり着きます。
滝祭神 - 伊勢市、伊勢神宮の写真
伊勢神宮 (トリップアドバイザー提供)
●お札の授与は参拝してから
これは伊勢神宮に限ったことではありませんが、お札などを授与していただくのは参拝後です。
時間がかかる場合は神楽殿で先にお願いして、参拝を済ませてから受け取るようにしましょう。

■外宮で見逃しそうなポイント

外宮の御正殿前、注連縄を張り、石を3個重ねた石積みがあり、三ツ石と呼ばれています。
昔はこの場所を宮川の支流が流れていたそうで三ツ石は川原だったことの名残として残されているものだそうです。
遷宮の際に修祓が行われる川原祓所となっていますが、普段は紙垂を付けた綱で囲われているだけで見逃してしまいそうです。

■内宮で見逃しそうなポイント

先ほどもお伝えした瀧祭神です。
風日祈宮橋のすぐ近くにある小道を川下に向けて進むとたどり着きます。
通っていいのか迷うくらいの道ですので知らなければまず見逃しますので、お連れの方がいる場合はこっそりと教えてあげると驚くかもしれませんよ。

伊勢神宮・内宮(神苑・五十鈴川御手洗場・滝祭神)

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内宮の神苑、右手には松が植えられています。
DSC02705火除橋が見えてきます。
火除橋は、火災の延焼を防ぐために人工的に作られた川に掛っています。

この橋の手前右手にトイレと古札納め所があります。
橋を渡ると神域になるそうで、これより中にトイレはありませんので、ここで済ませておきましょう。

橋を渡り終えると、右側に手水舎があります。

奥に見えるのは第一鳥居です。

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手水舎で口と手を清めたら、第一鳥居をくぐります。

DSC02707第一鳥居をくぐるとすぐ右手に五十鈴川が見えます。

ここは五十鈴川御手洗場で、ここでも口と手を清めることができます。

昔はここで川に入って身を清めたようです。
この日は水位が下がっていたので、膝をついても水をすくうのは難しい状態でした。

通常でもかなり前かがみになる必要があるので身体の不自由な方は第一鳥居の前の手水舎で口と手を清めておいたほうがよいでしょう。

あまり無理をすると川に落ちるかもしれません。

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清流で知られる五十鈴川です。

ここから参道に戻る前に、ほとんどの人が気付かずに通り過ぎてしまうのが滝祭神。

ここは何度も参拝している方でも知らない事が多い参拝ポイントなようで、ほとんどの方は気付かづに通り過ぎます。
滝祭神は五十鈴川の神様で水の守り神だそうです、地元の人はお取次ぎの神様と呼んでいるそうで、まずはここで名前や住所をお知らせして、滝祭神にどこの何というものが参拝に来ましたと天照大神に取り次いでもらってから御正宮に向かうそうです。

伊勢神宮の写真
(トリップアドバイザー提供)

多くの方は正宮を参拝してそのまま帰るようですが、余裕があれば御正宮を参拝してから風日祈宮→滝祭神の順で参拝に向かってみてください。

地元の人にならって滝祭神にお取り次ぎをお願するしてから御正宮に参拝する場合は五十鈴川手洗場から参道に戻る手前に右に入る小道に入ると、右手に滝祭神が祀られっているのを見つけることができます。

お取次ぎをお願いして、そのまま小道を進むと風日祈宮に向かえますが、そうすると第2鳥居をくぐらないことになるので、第2鳥居をくぐるにはもと来た道を通って参道に戻り正宮の参拝に向かいます。

伊勢神宮・内宮(宇治橋と宇治橋鳥居)

DSC02694内宮の宇治橋の手前に観光案内所があり、地図ももらえます。
DSC02695 宇治橋と宇治橋鳥居
橋の両端にある鳥居はそれぞれ、手前は内宮の橋を渡り終わったところの鳥居は外宮の正宮の御正殿の棟柱をリサイクルしてつくられています。
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宇治橋は日本風の木造の反橋で長さは101.8mあります。
戦後、財政難などで20年ごとに行われている式年遷宮の時期が4年遅れた際にも、宇治橋の架け替えだけは多くの方々の努力により予定通りに行われたので、式年遷宮の4年前に行われるようになったそうです。
鳥居は正殿の棟柱をリサイクルするため、式年遷宮の後、正殿が解体されてから新しくなることになります。
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内宮、天照大御神、式年遷宮の簡単な説明があります。

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それでは宇治橋を渡ります、外宮は左側通行でしたが、内宮は右側通行です。
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川上に杭が見えます。これは「木除け杭」というもので、流木が橋脚に直接あたるのを防ぎ橋を守るためのものです。
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この時は渇水のため、橋の下には水がありませんが、通常は鯉が泳いでいたりします。
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こちらは川下です。
遠くに水が見えますが、橋の近くはまったく水が見えない状態でした。

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宇治橋を渡り終えたらそのまま右に向かうのが参拝の順路です。
ここから神苑に入ります。

月夜見宮

月夜見宮は月夜見尊(つきよみのみこと)と月夜見尊荒御魂(つきよみのみことのあらみたま)が祀られています。
外宮の宮域外の別宮は月夜見宮のみで、月夜見宮の宮域内には高河原神社があります。

参拝時間内は神職の方が常駐されていて、外宮が混雑している時期でもこちらは静かですので気軽に質問できる状態でした。
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大楠が手水舎のそばにあり、目を引きます。
何か変だと思ってよく見ると主幹がないようです、参拝者は皆この木の前で歩みを止めて眺めていきます。
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この角度からだと主幹が無くなっているのがよく見えます。
外宮にも大きなきがありますが、この後参拝した内宮にも普段目にすることのない巨木が沢山あり、多くの人が触っている姿を目にしました。
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高河原神社
境内の北側にある堀は江戸時代までは宮川で、ここは高河原といわれた土地だったそうです。
神明造ですがこちらは萱葺ではなく板葺でした。
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DSC02664社殿の左側にある焼けた楠の下に祀られている石と狐ですが、「 地元の方々が祀ったから、 よくわからない。」ということでした。

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伊勢神宮(外宮から神路通を通って月夜見宮へ)

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外宮の北御門参道を出て右に向かえば表参道に戻れますので、内宮に向かう方は右に向かって外宮前のバス停に向かいましょう。
ここでは、内宮に向かう前に、北御門参道を出てまっすぐに進み、月夜見宮に向かいます。
月夜見宮までは、ゆっくりと歩いて徒歩10分弱くらいでしょう。
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途中で伊勢市駅方面に向かう道路と別れていますが、月夜見宮に向かうには左側に道を進みます。
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月夜見宮まで300mの表示が出ています。

神路通(かみじどおり)

ここからは神路通という通りになり、夜、月夜見宮の神様が白馬に載って豊受大神宮のもとへ通う道とされ、夜はこの道を通るのを避け、現在も道路の真ん中を人が歩かないようにしている通りです。
神社の参道も真ん中も神様が通る道なので避けて歩きましょう。
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人通りの少ない静かな道です。
月夜見宮まで少しの間ですがこの道をゆっくりと歩いてみましょう。
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この道沿いの家には、「ここは神路通」と書いた札がかかっています。
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神路通のいわれについて書かれています。
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道沿いの家にはみな、「ここは神路通」の札がかかっています。
地域で大事にしていることがうかがえます。
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神路通の提灯と札がかかっている家も多くみられます。
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石柱の立った邸宅がありここを通った時には何の事かわかりませんでしたが、見過ごすわけにはいきません。
古今伝授の古今は古今和歌集のことで、古今和歌集の解釈を、口伝、切紙、抄物により秘伝として師から弟子に伝えたもののようで、
この石柱に書かれているのは、古今伝授の創始者である東常緑(とうつねより)を祖にして、学者や歌人などの才人を出した家柄ですという意味のことのようです。
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しめ縄も各家にかかっていますが、これはこの通りに限ったことではありません。
伊勢では、1年中しめ縄をかけておくそうで、多くの家や会社でしめ縄が見られます。
しめ縄は、以前は11月ごろから制作していたそうですが、しめ縄を製作する人が減ったため、今では1年中つくらないと間に合わないくらいだそうです。
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神路通を抜けると月夜見宮に到着です。
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はここを右折すると伊勢市駅に向かうので、月夜見宮参拝後に内宮に向かう時にはここを通って駅前まで戻ることにします。